童貞のまま同棲する事になったんだが色々カオスだったwwwwwwwww 3

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童貞のまま同棲する事になったんだが色々カオスだった
引用元:http://hayabusa3.open2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1395553658


107:ナオト:2014/03/23(日)16:59:28 ID:10nTWnLfS

あれ酉つけられないんかな?まあ、良いかwww

では、いったん落ちますねw


108:ナオト◆SQ2Wyjdi7M:2014/03/23(日)17:00:57 ID:8FLATIl1y

よっと


109:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/23(日)17:02:35 ID:8FLATIl1y

これでどうだ!


110:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/23(日)17:03:09 ID:8FLATIl1y

よっしゃあ!!酉つけれたwww
あ、今度こそ落ちますw
すみませんでしたww


112:名無しさん:2014/03/23(日)17:28:09 ID:J44WT08O1

みてるよー 楽しみにしてるわ


113:名無しさん:2014/03/23(日)18:31:41 ID:TNh7dUhjN

待っとく!!!


114:名無しさん:2014/03/24(月)05:26:04 ID:T56PnE3ab

なか


115:名無しさん:2014/03/24(月)09:44:03 ID:tXjtqssBV

おはよう。いい話だ。オレ、シゴト、
ガンガル
123:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)21:58:51 ID:iZLNGPCBT

やっぱり酉が間違っていたか・・・
お待たせしました。続きを乗っけていきます
保守サンクスです


124:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:00:38 ID:iZLNGPCBT

五人で暮らす様になってから、今までの生活と全く違う様相を呈し始めた。
まずは自然と役割が決まって来る。
当初、料理はマリコ以外で当番制となっていたのだが、イモトは下手では無いんだが、とにかくガサツ。
ヒロさんは味噌汁に出汁を取らずに味噌丸ごと投げ入れると言う暴挙に出た為、台所を出禁。

結局、俺と係長で料理を作るのだが、俺も学校とバイトが有るので思うように料理をする暇が無い。
そして係長の思わぬ才能が発見される。料理が上手いんだよ。
「嫁にいつも作らされてたんで…」
そう力なく笑う笑顔に哀愁を感じた


125:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:02:33 ID:iZLNGPCBT

結局、「一番暇な私がやりますよ」そう係長が言った為に料理長には係長が襲名。
次に掃除は各自の部屋は各自で。あと共用部分はヒロさんと俺がする事となった。
そして、洗濯はマリコとイモトで全員分を行う。
ただ、それが原因かどうかは分からないが俺の下着が二枚無くなったのが非常に気になるんだが…

こんな感じの同棲…いや、既に同棲じゃねーな、これ。あれだ、合宿だわ合宿。
メチャメチャ騒がしいし常に誰かが叫んでたし…夜は皆でグダグダと居間で喋るし…
朝は戦争の様に大変でトイレ争奪戦が凄いしね…


126:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:04:10 ID:iZLNGPCBT

最初は俺はテンション駄々下がりで溜め息ばかりついていたんだが、いつしか何か楽しんでいる自分がいてさ…俺も独りっ子だったから沢山の兄弟が出来た様で…
嬉しかったのかもしれないな…

とにかく、ここに居る人間は何かしらの欠陥を持っていたんだろうね。
社会の常識の枠を外れてしまった欠陥を。
だからある意味傷の嘗め合いをしていたのかもしれない…

まあ、問題も多々ある。春が終わり初夏になった頃にある問題が発生した。
それは虫問題であった


127:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:06:03 ID:iZLNGPCBT

ある日俺が家に帰るとマリコとイモト、それに係長が叫びまくっていた。
廊下と縁側に小さい羽蟻?みたいなのが大発生していたのだ。
「ナオト!助けて!」
そう言ってマリコがしがみついて来た時は興奮した。
その後にイモトも来たのでなぎ倒した。
「ふう…私も虫は大の苦手でしてね」
係長がメガネをクイッと押し上げ少しドヤ顔で言うのが意味が分からないんだが…
たが、俺も得意では無い。とにかくホウキで羽蟻を追い払った。
ちなみに、その後何度か羽蟻が出たのでヒロさんが殺虫剤を購入する事となる。


128:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:07:55 ID:iZLNGPCBT

羽蟻はまだ倒せたんだが、Gが出た時は俺も逃げまどう。
ヒロさんと係長は家の外に逃げた。マリコは俺の後ろで叫びまくる。
イモトが何かの力に目覚めたのか大声を上げながらスリッパで撃退。
奴は戦いの中で進化する人間だった事を知った戦争だった…

仲の良さも深まっては来る。俺は特にヒロさんと、よく喋る様になった。
当初は彼の性癖を知らなかったので余り喋らなかったのだが段々と喋る様になる。
ヒロさんは、と言うよりここに居る全員だったが余り酒を飲まなかった。
たまに誰かがビールを買って来て飲む位。俺は一度ヒロさんが買って来たビールを飲みながら聞いてみた


129:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:09:44 ID:iZLNGPCBT

「ヒロさんて、男役だったんすか?女役だったんすか?」
そう軽い酔いに任せて思いきる。彼は困った顔で笑いながら「秘密だよ」と言う。
うわ、聞きてえ。
「え?やっぱり俺とか見ても、ちょっと興奮します?」
俺、酔い過ぎ。
ヒロさんはフッと笑うと酔っぱらって係長の頭を撫でているイモトを指差す。
「…興奮する?」
ああ…そうか、誰でも良いって訳じゃねーのな…てか、待て。
俺はイモトと同列かよ!何か複雑な俺だった…


130:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:11:46 ID:iZLNGPCBT

あと、マリコとイモトも仲良くなったのかも。
たまに二人でお互いの部屋で喋っていたりするのを見た。一応、暗黙の了解でお互いの部屋には入らない事にはなっていた。
だが、あの二人はよく行き来していたんだよ…
俺はその度に何の話をしているのか気になり襖に耳を当てて聞こうかと思ったが、それは不味いと思い止めた。

ちなみに係長はいつも酔うと訳の分からない歌を一人で歌っていた。
そして翌日には「昨日は酔ってとんだ失態を…」と言って一人一人に謝るのだ。なんか憎めない。
まあ、こんな感じで俺達は上手く共同生活をしていたんだよ。

だけど俺とマリコの仲は中々深まらない。周りが賑やかで有るほど俺はマリコとの間に孤独感を感じていた。
俺はいつもマリコを目で追う。だが、視界の先にイモトが現れたり、係長が被ったりと邪魔をされるんだ。
だからバイトの時だけは二人の時間で嬉しかったんだよ。


131:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:13:42 ID:iZLNGPCBT

「ソフトクリームが食べたーい」
そう言ってマリコがレジから空を見ながら言う。
「ああ、良いね」
俺も頷く。もう暑くなって来たしな。
「んじゃ、今日の買い出しの時に食べようか?」
マリコのキラキラ笑顔でそう言われ俺は即了承。
買い出しは基本、俺とマリコの役割だった。皆からのお金をマリコが預かるからだ。
その時はデート気分で凄く嬉しい。だが、たまに俺とイモトが学校帰りに行く事もあった。
その時は俺はペットの散歩と思って諦めていた。

ちなみにお金の渡す率はヒロさんが断トツに多い。
「使う所が無いから」と言うのが彼の言い分だったが、学生やフリーターばかりなので気をつかってくれていたんだろう。
あ、係長は金の徴収は無かった。彼、ニートだから。
だから俺達に腰が低かったのかな?


132:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:15:21 ID:iZLNGPCBT

俺達は二人でスーパーに行き食材を買い込み(勿論、リンゴも)その後二人で店の外にある屋台でソフトクリームを買った。
そしてベンチに座りそれを食べる。
日が高くなり暑くはなったが夕方になると涼しい風が吹いていた。
山の方から微かにひぐらしが鳴いているのが聞こえる。惨劇が起きる…訳でも無く俺とマリコはマッタリとソフトクリームを食べていた。

「夏だねえ」
「夏ですな」
マリコの一言におうむ返しで返事する。
なんか、こう言う時間が堪らなく嬉しいんだが、どこからかイモトの邪魔が入りそうでビクビクする


133:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:17:44 ID:iZLNGPCBT

「海…行きたいな」
「海ね…○○って泳げるの?」
俺は近くの海岸名を言う。
「泳げると思うよ…あ、じゃあ、そこに行こう!」
「おお、良いね…」
その時、俺はふと気が付く。
海…海に入るのは…水着!!!マリコの水着姿!!!!

「行こう!!!是非行こう!!!何なら今すぐ行こう!!!」
鼻息の荒い俺。
「今すぐは無理でしょ」
そう言ってケタケタと笑うマリコ。だが俺はマリコの水着姿を想像して鼻息が荒いまま。
「来週位から入れるのかな?」
知らん、知らんがどうでも良い。とにかくマリコの水着。
「入れる!いや、俺らが入れるか確認しよう!」
その鼻息荒い一言にもマリコは笑う。
「皆の予定はどうなんだろう?」
ええ?皆?あいつらも?
「と、とりあえず…一回俺らで様子みない…?」
俺は少し控えめに冗談っぽく言ってみた。ダメ元で。
するとマリコはほっぺを軽く膨らまし「う~ん…」と呟いた後に「じゃ、一回様子見に行こうか?」と笑ってみた。

よっしゃああああああああ!!!!!!
心の中の観衆達が俺の一言にスタンディングオベーションをしていた…


134:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:19:28 ID:iZLNGPCBT

それから俺は海に行くまで毎日、楽しみではあったが同時に戦いの毎日であった。
いかに皆にバレずにマリコと二人で海に行くか…

ある日、俺とイモトで学校帰りに買い出しに行く。
「ナオトー、アイス食べない?」
「食べない、お前、これは仕事なんだからふざけるんじゃない!」
俺は一刀両断。だが、イモトは負けない。
「ふふ、こんな風に買い物してたら…新婚さんみたいだね♪」
いや、ペットの散歩がてらの買い物だけど?
俺達は買い物を終え帰路につく。

「ねえ、海でも行きたいよね!」
自転車の風に負けない様にイモトが俺に叫ぶ。
ギクッ。


135:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:21:25 ID:iZLNGPCBT

「…海は…止めておけ…」
「ええ?!なんて?!」
俺の声が自転車の風切り音に負ける。
「ナマコ入るだろ、ナマコ!」
今度はデカイ声で叫んだ。
「ナマコ?」
「この時期のナマコは産卵前でヤバイんだ!アイツらは海の動物の体内に入りそこで、産卵する!基本的には人間には産卵しないが、たまに間違えて人間にするんだ!そしたら体の至るところからナマコが…」
「え?マジ?そんな話…聞いた事、無いけど…」
俺が今考えた話だからね。
「そんな話が広まったら誰も海に来ないからな…海洋学者達の中では常識だ!」
イモトは腑に落ちない顔をしていたが更に言う。
「え?じゃあ、ナマコって他の魚とかから出て来るの?!」
中々、食い付くね。スルーを覚えようか?
「魚でも…結構デカイ奴だな…例えばサメとか」
「え?じゃあ、マグロは?!マグロとかは?!」
なんて好奇心旺盛な奴た。
「マグロは深い所にしか居ないだろ?浅瀬がヤバイんだよ」

こうして俺は怪奇的なナマコ像を明確化していくのであった…


136:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:23:13 ID:iZLNGPCBT

だが、そんな幻のナマコは全く効果が、無かった。
「ねえねえ!あの海水浴場、もう入れるのかな?!」
そう居間でイモトがデカい声で言いやがった。俺のナマコ講座の時間を返せ。
俺はテレビを見る振りをして押し黙る。
チラリとマリコを見るとマリコが困った表情で俺を見てきた。
なんか二人の秘密みたいで嬉しい…が、係長が空気を読まない。
「どうやら、来週位から海開きをする様ですよ」
そう言って団扇で扇ぐ。何なのアンタの無駄な情報力。
それを仕事に生かせてたらリストラされなかったんじゃねーの?
「じゃあ、皆で海に行こう!!」
イモトの叫びで結局、俺の目論見は見事に破られたのであった…


137:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:24:29 ID:iZLNGPCBT

まだ早い時期だったので海は空いていた。
それを分かったのは俺達が、この夏にかなりの日数を海で過ごしたからだ。

海まではヒロさんが原付で荷物と共に先に行き場所を取る。
そして俺達は自転車で追い掛ける形だった。
ちなみに当初の頃は係長の自転車が無くて彼は汗だくで歩いて来ていた。
だが、余りにも可哀想さから俺がコンビニのオーナーに言って捨てられている自転車を貰い彼に渡したんだよ。
「この御恩は一生忘れません」
少し半泣きになりながら言われた時は何かムカついた


138:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:26:59 ID:iZLNGPCBT

海に到着して俺、ヒロさんそして遅れて来た係長で水着に着替える。
ヒロさんはガッチリした良い体をしている。ノンケの俺でも惚れ惚れしそうだ。
反対に係長はだらしなすぎな体をしていた。着替え終わりパラソルまで行くと既にマリコと、もう一匹が着替えおわっていた。

うお!マリコの水着!俺は興奮しているが冷静にマリコの水着に向けてオートフォーカスをする…!
が、マリコ、ラッシュガード着てるし、下も何か短パンみたいな水着だし…おじさん寂しいよ…

「ナオトー!」
マリコの隣のもう一匹がうるさい。余り見たくなかったがチラリと見てしまう。
何だその銀色ちっくな水着は!!目がチカチカする!対ハワイ上陸作戦用に開発された水着かそれは!!
「ナオトー!!」
それでも俺に手を振るイモト。
「宇宙人みたいな水着の人が呼んでるよナオト君」
ヒロさんが冷静にそう言う。
「どこで買ったんすかね、あの水着」
「ピンクレディーが、あんな水着をしてましたね」
係長がそう言っていた


139:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:28:53 ID:iZLNGPCBT

「マリコ、ら、ラッシュガード…着てるんだ…」
俺は迫り来るイモトを押し退けながら聞く。
「だって、日焼けが気になるし」
マリコがそう言うとイモトも同意する様に頷く。
「あ、確かにシミとか嫌だよね~」
うるせえ!お前は日焼けを気にする前に眉毛を何とかしろ!!
…結局、この夏にマリコの水着姿を見る事が無かったよ…

まあ、マリコの水着は残念では有ったが海は最高に楽しかった。
ビーチバレーをして係長にボールをぶつけたり、
海でビーチボールに捕まっている係長を海に落としたり、
岩場でカニを捕まえようとしている係長を海に落としたり、
砂に係長を埋めて俺達は何処かへ消えたり…
ホント、係長ごめんなさい…


140:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:30:18 ID:iZLNGPCBT

ゴムボートを借りてマリコとイモトと三人で沖に出た事もあったな。
俺がゴムボートを漕ぐんだが中々スピードが出ない。
何故かイモトは「しゃらくせえええ!!!」と言ってそのまま海に飛び込み泳ぐ始末。
何だあの野生児は…

その後、俺とマリコがゴムボートで二人きりとなった。
「ああ~なんか楽しいね♪」
マリコはそう言ってゴムボートの後ろ側に寝転がる。
その時、短パンから見えるマリコの生足にドキドキする。
変に色々着ているもんだから露出している部分を見るだけで興奮してしまう。
マリコの細く長い足にうっすら血管が見えて肌に水滴があった。


141:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:32:32 ID:iZLNGPCBT

「…生まれて初めてかも…」

マリコの呟きに我に返る。
「え?」
「こんなに楽しい夏って…生まれて初めてだな…」

そうマリコが仰向けで空を見ながら呟いた。その空を見つめる目に何か物悲しさを感じた。
「俺も…生まれて初めてかな…こんなに楽しい夏は…」
そう。俺もこんなに楽しい夏…いや、こんなに楽しい日々は生まれて初めてだ。
「…ずーっと、続けば良いのにね…」
マリコがそう言って少し眩しそうに目を閉じる。
俺も空を見上げた。
空は真っ青で遠く沖の方には高い入道雲が見える


142:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:34:24 ID:iZLNGPCBT

「…うん。ずっと…このまま続けば良いのにな…」
俺の一言にマリコは目を開けて俺を見た。そして微笑む。その瞬間を俺は今でも思い出すよ。
あの日、あの時…ホントに夏を感じていたんだ…

帰り道はいつも近所のスーパーで皆でアイスを買って食べていた。
夕陽に横顔を照らされながら俺達はアイス片手に海岸線の道路沿いに自転車を停めて食べていた。
「なんか良いですねえ…」
そう係長が呟く。
「青春♪」
マリコも嬉しそうだ。
「…こんな生活も…有りかな…」
ヒロさんはタバコをくわえながら言う。彼はタバコが絵になるわ。
「夏、終わって欲しくないわあ」
イモトの言う事はもっともだ。

俺達は各々夕陽を浴びていた。俺も思う。ずっと夏が終わって欲しくない…


143:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:36:05 ID:iZLNGPCBT

だけど、空気を読まずに俺が一言。
「いや、夏が終わらないのは良いんだけどさ…一つ問題が有るじゃん… 」
俺の一言に全員が現実に引き戻される。
「うわ、ナオト、それ今言う?」
イモトの非難が注がれるが全員分かっている様で溜め息をついた。
そう、俺達に一つ問題があった…それは…
家のエアコンの絶対数が少なすぎると言う事であった。
家にエアコンはマリコの部屋にしか無かったのだ。
だから、俺達は全ての窓を開けっぱなしで寝るが、虫の被害が甚大だったのだ。


144:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:37:44 ID:iZLNGPCBT

マリコが「もし、良かったら私の部屋からエアコン外して居間に付ける?」と言った。
だが、男連中は居間で寝れるが女連中が困る。たからと言ってエアコンを何台も購入するには金が掛かりすぎるんだ。
「ああー、家に帰りたくねえ」
イモトはアイスの棒を舐めながら言う。
「扇風機でも買うか?」
ヒロさんが、そう言うが結局、それでも虫の被害が収まらない。
全員、再び溜め息をつく。すると係長が口を開いた。
「もし、良かったら明日、私にお付き合い頂けませんかね…」
そう言う係長のメガネが光っていた…


145:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:39:44 ID:iZLNGPCBT

翌日、仕事のヒロさん以外の俺とマリコとイモトで係長に納屋にしまってあったリヤカーを引き付き合う。
俺と係長二人でリヤカーを引くが坂道が大変であった。
ミンミンと蝉が鳴く炎天下の中、到着した先は山奥にある不法投棄の場所だった。
「何すんの?係長」
イモトが顔を赤くして汗を拭きながら言う。
「ここで、使えそうなエアコンが無いか、と思いまして」
え?拾うの?
「でも、こんな所に捨ててあるエアコンなんか、壊れて使えないでしょ?」
帽子を取りながらマリコが聞いた。
「ですので…私が修理します…」
「え?係長直せんの?」
俺の問いに係長は少し照れながら笑った。
「以前に勤めていた所が電気メーカーでしたんで…」
マジか。


146:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:41:43 ID:iZLNGPCBT

係長は言う通り凄かった。
使えそうな十台位をリヤカーに乗せて持って帰ると、それを係長を筆頭に皆で必死で修理する。
勿論、俺達全員、機械の「き」の字も分からない連中だったので係長の言う通りの分解して線を繋いだり、はんだで止めたりするだけだった。
使えそうな奴も、結局使えない、と言う事もある。
だけど着実に一台、一台修理していく。

昼間は炎天下の中の作業で大変だったが、それでも楽しかった。
皆で夢中で修理して、休憩は木陰で寝転がり昼寝したりする。
夜は居間からの明かりで作業を続けた。そして、三日が過ぎた時…

各部屋と居間の合計五台のエアコンが出来上がったのであった…
一応取り付けは係長も出来ないらしく近所の電気屋で頼むしかなかったが…

それでも、エアコンがちゃんと稼動した時は全員感動で泣きそうになった


147:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:43:53 ID:iZLNGPCBT

イモトは係長に抱きつきキスしそうな勢いで喜びを表していた。
他の皆も係長を褒め称える。意外な係長の才能であったのだ。
「これで、来年は夏の最初から涼しいな!」
流石のクールマン、ヒロさんも喜びを露にしていたのであったのだ…
だが、エアコンが付いた事により一度アクシデントが起きた。

その日は暑い夏、真っ盛りの日だった。
各々が家に帰り着き順番に風呂に入り、夕食を食べて皆で居間でまったりとテレビを見ていた。
俺は隣でマリコが見ている雑誌を横から覗く。確か、星占いか何かのページを見ていたと思う


148:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:45:36 ID:iZLNGPCBT

係長は台所で「野菜ジュースを作ってみようかと」と言って野菜をミキサーに掛けていた。
ヒロさんは夜にも関わらず電気シェーバーで髭を整える、と言う非常識行動。
そこに風呂上りのイモトが「あっち~」と言って品の無い足をおっぴろげて、ドライヤーで髪を乾かし始めた時だった…
突然、テレビの音が消え目の前が真っ暗となる。
「きゃ!」「うわ!」「え??」
全員が声をあげた。
「停電か??」
いや…
「ブレーカー落ちたんじゃない?」
俺の言葉に「あ、それだ」と言って暗闇でヒロさんが答えた


149:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:47:22 ID:iZLNGPCBT

「てか、全員ひょっとしてエアコンつけてる?」
「あ、私、点けっぱなしだ…」
耳元でマリコの声が聞こえた。暗闇で分からなかったがマリコが隣に居るようだった。
てか、俺も点けてた。聞くと全員寝るときに涼しく寝る為にエアコンで部屋を冷やしていた様だった。電気代もったいねえ。

「とりあえず、近場の電気をコンセントから外しましょう」
どこからか係長が言うが真っ暗過ぎてどこが何やら分からなかった。
その時手のひらと腕に温かい物が絡みつくのが分かった。

え?
それは誰かが俺の左手を握り、そして左腕に抱きついているんだ…


150:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:48:56 ID:iZLNGPCBT

「てか、どこよ!コンセント!」
離れた場所からイモトの叫ぶ声が聞こえる。
「あ、俺、ライターどこだ?それが有れば分かるだろ」
同じく離れた場所からヒロさんの声が聞こえた。
「あ、一個コンセント抜けましたよ」
係長が台所でそう言う…

と、言う事は…だ…
この俺の抱きついている温かくて柔らかいモノは…マリコだ…!

俺は急にドキドキしてくる。
え?なんでマリコは俺の腕に抱きついているの?怖いから?いや、まあ、それなら…分かる。
だけど…手は?手は何で俺の指に絡める様に握っているの???


151:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:50:33 ID:iZLNGPCBT

マリコの息遣いが俺の耳元に聞こえる。
何?何?
俺の頭の中までドクンドクンと血潮が流れる音が響き渡っているのが分かった。

「おい、ブレーカーどこだ?」
「確か洗面所で見ましたよ」
「とりあえず、明かり!」
皆が叫んでいる中、俺はそれ所ではなかった。
何も言わない。いや、言えない。
とにかく俺は緊張と興奮が入り混じり何も動く事が出来ないのだ。
そして…俺の顔に何かが触れた。
それが手の平と分かるのに少しの時間を要した。手の平が優しく俺の頬を触るのが分かる。
手の平からハンドクリームか何かの仄かの香りがした。


152:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:52:00 ID:iZLNGPCBT

そして、俺の前方から微かな息遣いが伝わって来る。
その息遣いから相手も緊張か興奮をしているのが分かった。
俺は動けずに心臓の鼓動だけがバクバクと暗闇に響く。
「おい、どこだ?」
「いて!何か踏んだ」
「あ、洗面所は外から月明かりで僅かに見えますよ!」

そして…暗闇に慣れ、おぼろげな輪郭が分かる様になった時…
その輪郭はゆっくり俺に向かって来て…


俺の唇に自分の唇を重ねたのであった…


153:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:53:20 ID:iZLNGPCBT

俺はその時間が何十分かの時間に思えた。
だけどほんの僅かな時間だったんだろう。その唇が離れて俺の左手をギュっと握りしめる。
俺もしっかりと握り返していた。

そして、もう一度…今度は俺からも動き…
俺達は再び唇を重ねあった…

「あ、ブレーカー戻しますよ~」
係長の声が響いた時、俺達は既に口付けを終えて手も離していた。


154:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:54:41 ID:iZLNGPCBT

そして明かりが点る。マリコは俺から1m位の距離で立っていた。
「あ、点いて良かった♪」
そう言って笑う。その笑顔はごくごく普通のマリコだった。
電気が点いてから再び俺達は雑誌を見る。
マリコは至って普通に先ほどの星占いのページ見ながら俺に話しかけていた。
滅茶苦茶普通だった。

だから俺は自分が夢を見ていたのか…そう思っていたんだよ…


155:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:56:05 ID:iZLNGPCBT

そして夏は過ぎて行く。

この夏、俺達は本当に夏を満喫したんだ。
朝から誰が言い出したかラジオ体操したり、
縁側に座ってスイカを食べて種飛ばし競争をしたり、
そして夜は皆で花火をした…

係長が両手と口でロケット花火をくわえて走り回る。
イモトはネズミ花火を俺に投げてきた。
ヒロさんは線香花火を見ながら少し笑っていたのが怖かった


156:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)22:58:08 ID:iZLNGPCBT

マリコはでっかい打ち上げ花火に火を点けてハシャイで叫んでいた。
「来年も、また海行って、スイカ食べて…花火しよーね!!」
「やろおぜえええ!!!!」
俺達もハイになって叫んでた…

そして、夏は終わりを迎える。

海も、スイカも花火も…
そして、せっかく直したエアコンもね…

結局その年の夏だけのものになったんだよ…


157:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/24(月)23:00:30 ID:iZLNGPCBT

今日の書き溜めは以上です
すみません、長々しょうもない話を書いちゃって
なんか色々思い出してあれもこれもって思っちゃいまして
すみません。明日も早くから仕事なんで寝ます
おやすみなさい


158:名無しさん:2014/03/24(月)23:01:17 ID:o7ajg97ya

おつ

おもろかった!


159:イモと好き:2014/03/25(火)00:09:53 ID:V3zkoxAtG

目から水が…
乙!


168:名無しさん:2014/03/25(火)15:23:00 ID:KsNFFQW1z

青春だな~
小説見てるみたいだ


174:名無しさん:2014/03/25(火)17:23:56 ID:HhXFJpBvr

とりあえずパンツ脱いだ


175:名無しさん:2014/03/25(火)17:35:20 ID:ldfq0VonV

映画を見てるようだ


194:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:36:18 ID:VoVQAPxPZ

こんばんわ、お待たせしました。そして保守ありがとうございます
とにかく書き上げた分だけ投下します


195:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:37:39 ID:VoVQAPxPZ

八月が終わると、どこか物悲しさを感じた。
海には人が疎らになりサーファー以外は居なくなる。
それでも暑い日にはイモトの提案で海に行ったが台風が近づいているからか波が高い。
まあ、それでも波に揉まれて楽しかったんだが…

台風が来た時は大変だった。古い家だからか家が吹き飛ばされそうだった。
だが、流石は先人の知恵だ。以外に丈夫だった。

秋も深まると俺達は秋の味覚を得るが為に色々したよ。近くに栗の木が有るの見つけると栗を取りに行く


196:名無しさん:2014/03/25(火)22:38:04 ID:wyMc0zWW4

きたー!
てかこのスレよんでたら1/3の純情な感情の歌詞を思い出した。


198:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:40:07 ID:VoVQAPxPZ

「ヒロさん、もっと揺らさなきゃ落ちないよ!」
イモトが叫ぶ。
「結構揺らしてるんだけどね」
ヒロさんが木の上から言う。
「蹴ったら?蹴って揺らそう?」
マリコ嬉しそう。
「つーか、勝手に採って良いのかな?」
俺の一言は全員にスルーされていた。最終的にホウキで一個、一個を落とした。
お陰でその日から栗ご飯三昧だった。

また、ヒロさんが近くに芋が有る、と話を持って来た。
「芋ー!芋掘る!」
イモトが俄然ヤル気だった。
「焼き芋食べたーい♪」
マリコは又もや嬉しそう。
「芋粥でも作りましょうかね」
係長の腕も鳴る様だ。
「あ、いや、それって誰が植えてるんじゃないの?」と俺が至極まっとうな意見を言うが又もやスルー


199:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:41:55 ID:VoVQAPxPZ

「流石に…栗と違って昼間は難しいな…」
「夜に、黒い服を着て行くべきじゃない?」
ヒロさんとイモトが話す。いや、やっぱり誰かの物って理解してんじゃん…
「仕方がない、精鋭でチームを組んで突入するか」
「特殊芋掘りチーム…SITの出動だね」
何、そのカッコイイ特殊部隊。大体、こう言った悪巧みをするのはヒロさん、イモトの仕事だった。
マリコは単純に楽しそうなだけ。係長は後方支援。俺は全力で全員を現実に引き戻す役目だった。
「いや、不味いって…絶対、誰かのものなんだって!」
「ええー、ナオト、ノリ悪いー」
イモトが非難する。俺は少しムッとして言った


200:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:44:02 ID:VoVQAPxPZ

「良いか?山田さんは市内の中心で働くサラリーマンだった」
「え?誰、それ」
イモトが首を傾げる。
「良いから聞け…彼は真面目に働き続けていたんだ。毎日上司に怒られ、客に怒られ…たが、彼は愛する家族の為に頑張る。勿論、奥さんも一生懸命彼をサポートし続けてきた。暮らし向きは豪華では無いが、それでも奥さんと子供、家族四人が質素に暮らしていた」
「山田さん夫婦がんばったね」
マリコが感想を言う。
「そう、頑張った彼らの子供達は独立して、各々結婚して子供をもうけたんだ。山田夫妻に孫が出来た。そして、彼も遂にその日を迎える…定年退職だった」
「感慨深いでしょうな」
係長が染々と言うが笑えない


201:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:45:32 ID:VoVQAPxPZ

「彼は退職金を遣い郊外に土地を買った。そこで家庭菜園をするためだ。そう、遊びに来る孫のために美味しい野菜を孫と共に収穫したかったんだよ…だが、彼等は農業に関してはドシロウトだった。色々失敗をした。雨の日や、熱い太陽の下、寒い日、そして台風の日にも彼等は頑張って家庭菜園を続けて行く。全ては孫のために…そうして、やっと今年の秋に収穫を迎えるだけの芋を作る事が出来たんだ!」
そう言って俺はイモト、ヒロさんを指差す。
「その苦労をお前らが、盗むとどうなる!楽しみにしていた孫は泣いてしまう!そして、それを見た山田夫妻は茫然としてしまうんだぞ!」


202:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:48:33 ID:VoVQAPxPZ

イモトが焦りながら呟く。
「え…だ、だって、わ、私…その芋が知恵ちゃんのって…知らなかったもん」
知恵って誰だよ。勝手に孫に名前を付けるんじゃねーよ。
「ダメ!絶対、ダメ!知恵ちゃん可哀想!山田さん達も可哀想!」
マリコが鼻をすすりながら言う。いや、感情移入し過ぎだろ。
「やはり…素人の家庭菜園は難しいんですかね・・・」
食いつく所、そこかよ。
「…でも」
黙っていたヒロさんが口を開いた。
「孫の分を置いといたら良くね?」
アンタは鬼かああああ!!!!
その一言でイモトがヒロさんに乗っかる。
だが、俺達で全力で止めて何とか普通に金を払って芋掘りに行く事で手を打つ事が出来たのだった…


203:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:50:27 ID:VoVQAPxPZ

ある、秋の三連休の事だった。
「この、三連休…私、少しお暇を頂きたいのですが…」
そう、係長がみつゆびをつきながら言って来た。古風な嫁かよ。
「何?どうしたの?係長」
マリコがリンゴを食べながら聞く。
「あ、いや、古くからの友人から家に招かれまして」
「俺もその時に会社の旅行があるな…」
ヒロさんも、そう言う。
「あれ?三連休?私も居ないや、実家に帰るんだけど」
マリコもカレンダーを見ながら言った。
マジか!んじゃ、イモトと二人じゃねーか!!
俺は焦る…が、取り越し苦労だった。
「親がうるさくてさあ…私、三連休に一回、実家に帰るわ」
そう言って膨れっ面のイモトを見た時はホッとしたよ。

結局、三連休は俺だけが、この家に残る事になった。


204:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:52:22 ID:VoVQAPxPZ

俺も実家に帰ろうか?と思ったが距離が有るのとバイトのシフトを入れていたので無理と判断し一人で残る事に決定。

三連休の最初の土曜日、俺はバイトに入っていて夕方まで仕事をして帰路につく。
俺は少し一人での生活にワクワクしていた。
この数ヵ月ずっと騒がしい生活をしていたので一人に少し憧れを感じていたんだよ。
俺がやりたい事は一つだけ…それは…

エロいDVD を観る事…!

そう、この家での生活は楽しかったのだが、とんとエロに関しては恵まれなかったんだ。
勿論、エロDVD を観る事は出来ないし、ネット環境も無い。
そして当時の俺はスマホじゃなかったのでエロの情報も少なかった。
お陰で携帯のエロ画像やエロ体験談をオカズにしていた毎日。
だから動くエロを観たい!それを楽しみに三連休を迎えたのだ

おばさんの肉体(からだ)が気持ち良過ぎるから《後編》 〜ボクのおばさんは超名器だった〜   


205:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:53:54 ID:VoVQAPxPZ

帰り道に遠回りだがレンタルショップによりお目当てのモノをゲットする。
それも五枚も。そして、その日は帰宅スピード最速の記録を更新した日でもあったのだ…
帰宅する途中に誰かまだ居るかな?と思う。今日ばかりは誰も居て欲しくない。
そう思いながら家に到着すると家は真っ暗であった。
俺はホッとしながら家に入り、カバンを置くと直ぐに風呂の用意をして風呂に入ろうと思ったが性欲の鬼と化している俺は我慢が出来ずに居間に有るデッキでDVDを再生した。
いや、何だろうな…俺はあの瞬間、神に一番近い存在となったかもしれない。
全てが終わるまで20分の時間を要しなかった。
満足感が半端無かったのか終わったら「ごちそうさまでした」と呟いた程だった


206:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:55:56 ID:VoVQAPxPZ

そしてDVDを取りだし、しっかりと後片付けをした後に、ふと我に返る。
シーンと音の無い空間が広がっていた。
あれ?この家、こんなに静かだったけ?
そしてやたらと広く感じる。この家だけ丘の上なので車の音すら聞こえない。
俺は少し恐くなったので歌を歌いながら風呂場に向かう。
普段は気にしない洗面台の鏡も今日はチラチラ見てしまう。
とにかく、何か不気味だった。

風呂場で頭を洗っていても振り替えってはいけない、と言う思いだけが強くて全然落ち着かない。
さっきから思いきりミスチルのメドレー大会となっているが、ソロソロ持ち歌が尽きてきた。
おまけに洗顔もしながら歌っていたので口に泡が入りまくっている。


207:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:58:17 ID:VoVQAPxPZ

取り敢えず素早く風呂を上がった俺は気を紛らせる為に再びDVDを手に取り観るが全く集中出来ない…
何なら何故、さっきはこのDVDに興奮していたのかさえ理解出来なくなる。
このDVDを借りた時の俺にどこが良いのか解説をして欲しい位だった。
俺はDVDを観るのを辞めてテレビを見る。下らない深夜番組を観て少し落ち着いて来た。
このまま寝てしまおうと思い布団を部屋から持って来てテレビの前に敷く。
時折、雨戸がガタガタと言う音がするのは風のせいだと自分に言い聞かせた。

淋しい…そして、怖い…
つーか、マリコは俺達がここに住むまで1人でここに居たのか…
何それ?ただの肝試しじゃん …

風がガタガタと雨戸を鳴らす。
風だよな?変なデカイ生物が雨戸を揺らしている、って事は無いよな?…


208:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)22:59:55 ID:VoVQAPxPZ

…と、言うかマリコは恐く無かったんだろうか?
いや、怖かった筈だ。当初、一緒に住もうとマリコが言った時、怖い…と言う理由を言っていた。
それなのに、よく一人で住んだもんだな。

俺の眼球にテレビの明かりを映し出している。
マリコはそもそも…何でここに1人で住んでいたんだろう?
祖母の家だったから…家賃がないから…空き家の管理も兼ねる事が出来るから…

違う。俺が知りたいのは、そんな結果的な理由じゃない。
ワザワザ独り暮らしをする理由だ。
マリコはどうして独り暮らしをしたんだろうか?そして、何故この家を選んだのだろうか?


209:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)23:01:18 ID:VoVQAPxPZ

マリコは以前俺に独り暮らしをしてみたかった、と言う理由を言った。
その時は俺も納得した。俺もその気持ちが分かったからだ。
だが、俺自身にしても理由はそれだけでは無かったじゃないか。
俺の目的は『逃げる』事。色んな事から逃げたかったから独り暮らしを選んだ。

マリコは何なんだ?
そもそも俺は最初にマリコから、独り暮らしをしたかった、と言う理由を聞いて少し違和感も感じた筈だ。
普通に聞いてれば年頃の女の子が独り暮らしをしたい、と言う理由は納得出来る。


210:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)23:02:29 ID:VoVQAPxPZ

だが…もしもそんなミーハーな理由なら、こんな辺鄙な場所は選ばない。
マリコは違う。
パソコンはおろか、携帯すら持っていない女の子が、そんなミーハーな理由な筈がない。
違う。マリコはそんな理由で独り暮らしをしない。

いつの間にかテレビは深夜放送を終えてクラッシックな曲と共に夜の風景を映すだけの画像に変わっていた。
マリコは…本当に存在するのかな…?
何故か急にそんな突飛な事を考え始めた。
この数ヵ月…俺はマリコの傍に居たが、彼女の事を俺は何も知らない


211:名無しさん:2014/03/25(火)23:03:13 ID:UKHLihBFQ

投下されてた!!


212:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)23:05:27 ID:VoVQAPxPZ

俺は凄く不安になってきた。
下らない想像は止めよう。
だが、俺の想像は止まらない…全てが夢なんじゃないか…そんな思いすら浮かんでくる。
本当はマリコもイモトもヒロさんも係長も存在せずに俺は独り暮らしをしているんじゃないのか?
それだったら本当に怖い。
雨戸を叩く風の音は更に強くなる。

誰でも良い。イモトでも係長でも良い。今すぐに現れて欲しい。
寂しくて堪らない。俺は何故か涙が溢れていたんだ…

翌朝、俺が目が覚めたのは張本さんの「喝!」の一言だった。


213:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)23:06:56 ID:VoVQAPxPZ

一瞬、どこに居るのか分からなかったが居間でテレビをつけたまま眠った事を思い出した。
ノソノソと起き上がり雨戸を開ける。
外は良い天気だった。余り寝ていないのに眠くなかった。
縁側に座り庭をボーッと眺める。
鳥のさえずりが聞こえるが、それ以外は何の音も無い。

昨夜の下らない妄想が広がり再び悲しくなって来た。

係長の朝飯が食べたかった。
イモトの騒がしい声が聞きたかった。
ヒロさんのタバコの匂いが嗅ぎたかった。

そして、何よりも…マリコの笑顔が見たかった…


214:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)23:08:03 ID:VoVQAPxPZ

俺は又もや涙が浮かんでくる。
自分でも気持ち悪いと思うが止まらない。
皆が恋しい。皆に会いたい。
まだ一日しか経っていないのに、こんなに寂しい…
何なんだよこれ…
そう思った時だった…

「…何してんの?ナオト」

その聞き覚えのある声を聞いて顔を上げた。
そこには…マリコが立っていた…


215:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)23:09:41 ID:VoVQAPxPZ

「…マリコ?」
一瞬、夢かと思う。
マリコが帰って来るのは明日の筈だからだ。
「…ただいま~ああ、電車疲れた~」
そう言って縁側に腰を下ろす。
「え…いや、どうしたの…?」
俺の質問にマリコは何故か答えずに下を向く。
「…マリコ…」
俺がそう言うとマリコは顔を上げていつもの笑顔を俺に向ける。
「もうさあ、実家が騒がしくてさあ…さ、リンゴでも食べましょうかね♪」
少しいつもと違うマリコに不安を感じたが、それ以上に俺はマリコが帰って来てくれた事が泣きそうになる位、嬉しかった。


216:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)23:11:21 ID:VoVQAPxPZ

そして、マリコが実在している事に幸せを感じる。
「おう、じゃあ俺がリンゴ剥いてあげよう!」
俺がそう言って立ち上がり台所に向かおうとした時だった。
急に体が重くなった。それは俺の体が重くなったのではなく、マリコが俺の体を掴んだからだ…
いや、正確に言うと掴んだ、と言うよりも…
俺を後ろから抱き締めていた…

え?何?え?
俺は焦る。
そして一通り焦った後に急激に心拍数が上がり始めていた


217:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)23:13:24 ID:VoVQAPxPZ

「…え?ま、マリコ…?」
俺の声が掠れているのが分かった。
「…ちょい」
「え?」
「ちょい、疲れたから…このまま…」
こう言う時、どうすれば良いのか分からない俺。
よく聞くのは頭を撫でてやったら喜ぶ、と言う事だが…
だけど、全く体が動かない。後ろからしっかりと抱きつかれているので動けない。
取り敢えず俺は心拍数が高いまま、その状態でいるしか無かったのだった。
鳥のさえずりはまだ聞こえていた。
それ以外の音は聞こえない。まあ、俺の体内の心臓の音だけは聞こえていたが…


218:コバ:2014/03/25(火)23:14:40 ID:uELXzaAGl

ワシの心拍数もあがってきました


219:名無しさん:2014/03/25(火)23:15:24 ID:YfS3fWGH5

ドキドキしてきました!


220:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/25(火)23:15:29 ID:VoVQAPxPZ

ごめんなさい、書き溜めはまだ有るんだけど
俺の眠気が限界っす
毎朝五時起きなもんで
いつもは寝ている時間なんすよ
なんで中途半端で申し訳ないが寝ます
gみんなさい


226:コバ:2014/03/25(火)23:27:18 ID:jLGZbrdYT

ワシの心拍数もあがってきました


227:名無しさん:2014/03/25(火)23:27:19 ID:no63J1uhe

頭ん中でドラマ構成されるわ


228:名無しさん:2014/03/25(火)23:38:51 ID:Thw9uFOuN

とても読みやすい


230:名無しさん:2014/03/25(火)23:58:09 ID:Cup5KXk6s

明日も期待してまっす


280:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:26:47 ID:OdLl12yZo

昨日はすみませんでした
すんごい眠くて最後何を書いているのか分からんかったw
あと、楽しみにしてくれて嬉しいっす
昨日の残りと少し今日書いた奴を投下しますね


281:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:28:21 ID:OdLl12yZo

しばらくするとマリコは離れて「よし、じゃあリンゴ食べよっと」と言って台所に向かう。
俺は「あ、おう…」とか曖昧な言葉しか言えずにいた。
童貞なんでこう言う思わせ振りな事をされると非常に困る。
もう、ドキドキするだけだよ…と、言いつつも滅茶苦茶嬉しい俺が居るんだが…

俺達は居間でリンゴを食べながら色々と話をした。
マリコはいつもより饒舌な感じがしたが、まあそれでも楽しそうだから俺は気にしない様にする。


282:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:30:22 ID:OdLl12yZo

「あ、そうだ家からさあ…」
そう言ってカバンをゴソゴソとするマリコ。
「これ、観よう!」
そう言ってマリコは一枚のDVDを出して来た。
「何それ?」
「これはですな~私の大好きな、大好きな人が出ている作品なのです♪」
俺はそのDVDのパッケージをよく見る。
「大好きな人って…これ、『紅の豚』じゃねーか」
「ふふ、飛べない豚はただの豚だぜい!さあ、観よう!」
マリコが嬉しそうにDVDをデッキに入れようとする。


283:名無しさん:2014/03/26(水)20:31:13 ID:m6Dngcp10

おお!キタ!


284:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:31:55 ID:OdLl12yZo

その時一瞬、俺は焦る。

あれ?俺、エロDVD…

その瞬間に昨晩の記憶が走馬灯の様に甦る。
確か…賢者モードになった後に…大丈夫だ!
俺はちゃんと後始末をした…!うん、大丈夫…

うん?
記憶を少し早送りする。
あれ…確か、怖さを紛らせる為に…もう一回観たよな…それは…どうしたっけ?
俺の記憶を少しスローモーションにする。
俺はDVDが面白くなくて…あ、そのままチャンネルをテレビに替えた…

「あれ?これ何か観てたの?」
マリコの声に俺は顔面蒼白。


285:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:34:53 ID:OdLl12yZo

あのDVDは…確か…JKモノだ!!!
イヤアアアアア!!!!
だが、遅い。マリコは既に手にDVDを持ってパッケージをマジマジと見つめている。
「…あ」
何かを理解したマリコが小さく呟く。俺は死刑台の上に立っている気がした。
マリコはユックリ、それを下ろして俺の前にソッと置いた。
そして何も言わずに紅の豚をセットして「さ、観ようか」と言って三角座りをした。

ウワアアアアアア!!!!!何か言ってくれ!!!頼む、逆に何か言って!!! ちょっとさっきより離れてるし!!!!
俺は紅の豚の内>容が全く入って来ない。


286:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:36:16 ID:OdLl12yZo

俺は心の中でマリコに何通りもの言い訳を並べるがそれを、言ったところで何ともならないし、意味が無い。
つーか、俺は恥ずかしさと気まずさで紅の豚を観ている最中でも叫び出しそうだった。
紅の豚の上映会というか、俺の頭の中の反省会と、言うかは不明の時間が終了して俺達は遅い昼食を食べに外に出た。
「牛丼食べよ!」
というマリコの一言も
「あんなエロイものを観るアンタとは家に一緒に居れないので外で食べるわ」
と言っている風に聞こえた。
マリコは至って普通に俺に話しかけて来るのだが俺は完全に意識しまくり。
もう普通に話せない


287:名無しさん:2014/03/26(水)20:37:57 ID:V1s1UU2c1

まってた!!!
はよはよはよ


288:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:37:58 ID:OdLl12yZo

飯を食い終わりしばらく、喋っている内にようやく俺の気まずさがほぐれ、マリコと普通に話せる様になった…
…のだが、帰り道の自転車を漕いでいる時、部活帰りのJKとすれ違った。
その時、俺は特に意識せずにチラリとその子達を見ただけなんだが後ろを漕いでいるマリコが言う。
「…ああ言う、年下の子が…お好きなんですね」
ぎくっ。
「…え?」
俺は振り返る事が出来ずにただ前を見て聞き返すだけであった。
だが、マリコは何も言わずに自転車を漕いでいる。

何?何で俺を虐めるの?高々AV観てただけじゃん!
俺は又もや恥ずかしさと気まずさに苛まれるのであった…


289:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:39:33 ID:OdLl12yZo

家に帰り着き俺はマリコに尋ねる。
「少し早いけど、風呂の準備しようか?」
それは気まずさを消す為の会話だ。
「ん~…どっちでも良い」
マリコの答えが超曖昧…って言うか何か無愛想だ。
いつものマリコなら「おう、頼むぜ!」とかの明るい感じなんだ。
それからもマリコは少しいつもと違う感じで俺の言葉に返事をする。
なんなんだ…?結局、マリコも少し気まずいんだろう。
そりゃ、いきなりAVのパッケージを、しかも皆が留守の際に観ていたであろう痕跡を見せられたら俺も同じ男でも嫌だ。
気まずいわ。
ああ~せっかくマリコと久しぶりの二人きりだって言うのに…俺は馬鹿な事をしてしまった…


290:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:40:57 ID:OdLl12yZo

そう思いながら風呂から出て居間に行くとマリコがうつ伏せになりながら雑誌を見ていた。
「お先」
俺はそう言って座る。
「あいよ」
マリコは雑誌を見ながら答えた。
テレビは消されていて部屋がシーンとしていた。
う~ん…さっきよりかはマシになったけど…なんか気まずいな…
そう思いながら俺はテレビのリモコンを探す。
リモコンはマリコの雑誌の横に置かれていた。
「マリコ、リモコンくれない?」
俺がそう言うとマリコはチラッとこちらを見て「…んじゃ、うつ伏せになって」と言い出した。


291:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:42:25 ID:OdLl12yZo

「は?うつ伏せ?なんで?」
「良いから、うつ伏せ!ほら、早く」
畳を軽く叩きながら促してくる。
何だよ…俺はそう思いながらもうつ伏せになった。
「はい、なりましたよ」
そう言うとマリコは急に立ち上がり俺の後ろに回った。
え?
そして俺の両の膝裏に自分の足を乗っけて絡ませた。
「え?何?何?」
焦る俺。
「だりゃあ!」
マリコはそう言って俺の両手を持ったまま自分の後ろに倒れこんで俺はその反動で持ち上がった…!

まさかのロメロスペシャルだった…


292:名無しさん:2014/03/26(水)20:43:27 ID:V1s1UU2c1

マリコかわいい


293:名無しさん:2014/03/26(水)20:43:46 ID:XvqHGDCht

悪くない


294:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:44:11 ID:OdLl12yZo

「いってええええ!!!やめろおおお!!!!」
「だりゃあ!」
マリコは笑っていた。何て楽しそうにロメロをするんだ、コイツは!
つーか、女子がロメロなんかするんじゃねー!!
俺のタップが入りやっと下ろされる。
「何すんだよ!」
俺はうつ伏せのまま咳をしながらマリコに抗議した。
マリコはケタケタと笑っている。
何なんだ一体?俺がそう思っていると再びマリコが俺の背中にまわる。
またか!!今度は避ける様に俺は転がり仰向けに体勢を変えた…時だった


296:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:45:37 ID:OdLl12yZo

マリコは動きを止めて横座りの様な姿勢のまま俺をじっと見つめる。
さっきまでの笑顔は無い。ただ俺を見ていた。
「…どうした…?マリコ…?」
俺は少し心配になりマリコを見た。
しばらくじっと俺を見つめていたマリコは俺の胸の上に手をゆっくり置くと囁く様な小さい声で言った。

「…ちょっとだけ…」
「ん?」
「ちょっとだけね…泣いても…良い…?」


297:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:47:22 ID:OdLl12yZo

え?
マリコはそう言うと下唇を噛み締める。
「…どうしたの…?」
俺の声もどこかか細い。
マリコは黙って首を振り「お願い…泣かせて…」そう言って俺の胸に顔を下ろして来た。

そして嗚咽をあげ始めた…

俺はどうして良いのか分からなかった。
ただ俺の胸が軽く湿って行くのを感じるだけだ。
何だろう?俺が何かしたのかな?AV観ても…別に良いよな…?
童貞の俺が考える事は、そんな下らない事だけだったんだ


298:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:49:06 ID:OdLl12yZo

いくばくかの時間が過ぎてマリコは泣き止んだ。
だが、顔を俺の胸に置いて横を見ていた。

「…ナオト…ごめん」
マリコが謝る。
「いや…良いよ」
「違う…ナオトのシャツに…鼻水付いちゃった…」
そう言って顔を胸に置いたまま俺を見上げて笑う。
俺も笑った。
そのまま俺はマリコの髪をゆっくり撫でた。マリコは一瞬ビクッとする。
あ、やべ、調子乗りすぎた?
そう思ったがマリコは俺を見て「ごろにゃ~ん」と猫のまねをした。
なんて可愛いの、この人


299:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:50:38 ID:OdLl12yZo

俺達はお互い笑顔で見詰め合った。
やばい、エロイ気持ちとかじゃなくて…ただマリコを抱き締めたい。
ぎゅっと強く抱き締めたい…そう思う。
だけど、こんな体勢でいるのに俺はマリコの肩に手を回す勇気がない。
ただ、そこに手を回す勇気がなかった。

…あと、ちょっとだけ時間が有れば、或いはそれが出来たのかもしれない…
まあ、それは言い訳なんだろうが。
まあ、とにかく、その至福の時間は唐突に終わった。

何故なら…玄関が開いて「たっだいまー!!!」とデカイ声が聞こえたからだった


300:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:51:44 ID:OdLl12yZo

そう…人の恋路を邪魔する事に定評のあるイモトのご帰還であった。
「いやあ、ナオトが心配で帰って来たよ!…あれ?マリコも帰ってたの?な~に???ずるうい!」
そう言って膨れるイモトだったが、急に家が明るくなった気がした。
そしてイモトが帰って来た事を残念がっている自分と嬉しがっている自分がいる事にも少し驚いていたんだ…。

あ、ちなみにイモトとも一度二人きりで夜を過ごす羽目になった事があるが、それはまた別の機会に…


301:名無しさん:2014/03/26(水)20:52:12 ID:frjZ3oKrb

まさかのイモトーwww


302:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:53:45 ID:OdLl12yZo

他にも秋には色々あった。

裏の山を少し奥に行った所に小さな滝があった。
いや、滝と言うか小川に段差がある、と言った感じかな?
それを見つけたヒロさんが「修行だ!修行が出来るぞ!」と言って俺を引き連れて毎朝滝に当たるぞ、と言い出す。
超迷惑だった。まあ、3日で飽きたみたいだが。

また、ある時はイモトがサッカーボールを買ってきた。
どうやらネットカフェでキャプテン翼を読んだらしい。
「代表召集まで時間ないよ!」と言って全員でサッカーを毎晩する。
最初にマリコが「私、今日は見学します」と言って抜けてから崩れる様に我がサッカー部は廃部となった


303:名無しさん:2014/03/26(水)20:54:35 ID:m6Dngcp10

イモトはぶれないなw


304:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:55:16 ID:OdLl12yZo

まあ、他にも色々あったが今となっては楽しかったねw

ある日、朝の出かけにヒロさんから「今日、飲みに行かないか?」と言われた。
「良いっすよ、あ、じゃあ係長にいっとかないと」
そう思い係長に伝えると「今日は…カレーなんですけどね…」と何故か非難声。
係長のカレーは朝から仕込むので美味い。
少し未練を感じたが明日のカレーを楽しみに俺はその日、ヒロさんと市内の駅前で待ち合わせた。
「おう、スマンちょっと遅くなって」
そう言ってヒロさんが現れたのは待ち合わせの時間より20分を越した時間だった


305:名無しさん:2014/03/26(水)20:56:50 ID:XvqHGDCht

係長働けよw


306:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:57:01 ID:OdLl12yZo

「どこ、行きます?前に行った所に行きますか?」
以前にもヒロさんと飲みに行った事があった。
以前は係長と三人で行ったのだが、その時は係長が酔っ払い駅前で「私は、この国の法務上の問題を声に大にして言いたい!」と街頭演説を始め恥ずかしかった。
しかも以外に人が集まってるし…
その事があり俺とヒロさんの間では係長は飲みに誘わない事を決めたんだ。
「いや、今日はちょっとな…」
そう言ってヒロさんは繁華街の奥深くに向かう。
そこはスナックやらバーが集う少しディープな場所だ。
こちらの方まで来たのは俺も初めてだった


307:名無しさん:2014/03/26(水)20:58:01 ID:Oq9ddr1Oq

係長www


308:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)20:58:51 ID:OdLl12yZo

ヒロさんは、ある雑居ビルの所に来ると、そのまま二階に上がり、ショットバー的な所に入っていった。
「おう、ヒロちゃん久し振り」
マスターがヒロさんにそう言う。
「久々っすね」
「半年以上かな?まあ、良い、座りなよ…あれ、お連れさん?」
マスターが俺を見て言う。
俺はペコリと頭を下げてヒロさんの隣のカウンター席に座った。
「ヒロちゃんはいつものね、お連れさんはどうする?」
え?俺…俺は何を飲めば良いの?
正直、こんなショットバーに来たのは初めてだった。
「ウォッカトニックでも飲んだら?飲みやすいぞ」
じゃあ、それで。
二人の前に注文した飲み物が出て来る


309:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:00:19 ID:OdLl12yZo

ウォッカトニックは飲みやすくて美味かった。
ヒロさんはマスターと何やら話をするが俺は黙ってウォッカトニックを飲むだけ。
つれえ…何か知らない初めてのバーで置いてけぼりはつれえ…
暇潰しにカウンターの中にある酒の本数を数えていた。何で人の店の棚卸ししてるんだよ俺。
その時、カランカランとドアが開き客が入って来た。
ヒロさんはソチラに顔を向けると表情が強張る。
それはマスターも同じで有ったがマスターの方は、どちらかと言うとしかめた、と言った方が正解か…


310:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:01:44 ID:OdLl12yZo

入って来た客はか20代後半位のガッチリとした感じのイケメンだった。
彼もヒロさんを見るなり焦ったが、その後目を伏せて店に入らずに出て行こうとする。
が、いきなりヒロさんが立ち上がり「ケンジ!」と叫ぶ。
ケンジ?
ケンジと呼ばれた男は「…すまん」と呟く。
ヒロさんは立ち上がったまま下を向いて黙っていた。
ケンジも動かずに、その場で立ち尽くしている。

…ここまで来ると鈍い俺でも理解が出来ていた。
彼はヒロさんの元カレなんだ。


311:名無しさん:2014/03/26(水)21:02:53 ID:V1s1UU2c1

あーすごい楽しみ
明日には完結くる?


312:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:03:37 ID:OdLl12yZo

非常に気まずい沈黙の時間であった。
俺は聞かない様に引き続き、この店の棚卸し作業を続けようかと思うが全く集中出来ない。
しばらくの沈黙の後でケンジが「すまん…」とだけ呟くと店を出てた行ったのであった…

ヒロさんはその後も黙ったままだった。
そして、幾ばくかの時間の後に「マスター、ごめん。また来るよ」そう言って立ち上がる。
マスターも「うん、また…君もまた来てね」そう言って俺にも言ってくれた。
店を出た後にヒロさんはしばらく黙って歩いていたが急に「あー!駄目だ、湿っぽいな…」そう言って俺を見た。
「どっか、店を替えてパーッと行くか!」
ヒロさんは無理に笑っていた…


313:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:05:06 ID:OdLl12yZo

普通の居酒屋に入り騒がしい雰囲気の中でヒロさんがぽつりぽつりとケンジについて話し出したのは、俺が生中二杯目で軽く酔い始めた頃だ。
ヒロさんがケンジと出会ったのは高校を出て今の会社に勤め始めた頃。
ケンジとは、そっち系の出会いの場所で知り合い、その後すぐに付き合う様になったそうだ。
ヒロさんは昔から男が好きだったみたいで、小さい頃はそれが普通だと思っていたらしい。
だか、中学生になった頃から自分は変だと思う。
一度、普通の女子と付き合った事があるらしいが、やはり無理だったそうだ。


314:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:06:35 ID:OdLl12yZo

「あの頃は…滅茶苦茶悩んでたよ」
そう言って焼酎を飲みながらヒロさんが笑う。
そして、何度も女子に告白されるが全て断っていた。
その内の一人にマリコもいた。少し複雑な顔をする俺。
その表情を見て少し何かを俺に言いたそうだったが、そのまま話を続けた。
「ケンジと出会って、俺は生まれて初めてさ…本気で人を好きになった、って思ったよ」
そう照れながら言うヒロさん。
ヒロさんはケンジと一緒に暮らして幸せだったらしい。
だが、やはり、と言うかその幸せは壊れる。


316:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:08:00 ID:OdLl12yZo

「ケンジの親から…見合いの話が出て来たんだよ」
ケンジは小さい会社では有るが二代目らしく、それを継がなければならない。
その絡みもあって親はお見合いを勧めてきた。
ケンジは抵抗したが、それも空しく結局、お見合いをしてヒロさんと別れる事となった。
「別れたくなかった…だけどさ、それ以上にケンジを苦しめたくなかったんだよ…」
そうヒロさんは力なく笑う。
「なんすか…その誰も救われない話…」
気がつくと、俺はヒロさんの話を聞き涙ぐんでいる。
悲しい、つーか、悲しすぎる。それを見てヒロさんが笑う。


317:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:09:39 ID:OdLl12yZo

「…よく有る話だよね」
「ねーよ!!少なくとも俺の近くでは無いっすよ!!」
俺の突っ込みでヒロさんは笑った。
「…有ると思うよ…ナオト君にもきっと…」
「え?俺にっすか?」
「…形は違えど…どうしようも無い恋愛ってさ」
ヒロさんはそう言って煙草に火を点けた。
えー…やだなあ…俺はふと、マリコを思い出す。
もしもマリコが実は男でしたって、オチ…
全然問題ない。何それ、寧ろ少し興奮するんだが。

「ずっと…引きずってたんだけど…最近は少し忘れていたんだよな」
俺は気持ち悪い妄想を止める。


318:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:11:05 ID:OdLl12yZo

「お前らと一緒に暮らしてさ…毎日が楽しくて忘れる事が出来ていたんだけどな…」
ヒロさんが煙を吐き出す。
「さっきの店さ…ケンジとよく行った店で、マスターも俺達の事を知ってるんだ…だから会えるかなって、今なら笑って会えるかなって思ってさ…」
俺はヒロさんを見た。
「お前が居たらさ…何となく笑えるかもって…思ったんだよ」
ヒロさんが、そう言って俺に笑いかけた。
「それは…俺が…心の癒しになると…」
「いや、お前が滝浴びした時のオモシロ顔を思い出せるかなと思って」
「なんじゃそりゃ!」
俺達は笑い合った。


319:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:13:21 ID:OdLl12yZo

「いや、「あの時の顔はヒロさんも大概でしたよw」
「マジ?動画に撮れば良かったなw」
二人でそのまま、いつもの馬鹿話で盛り上がった…

家に帰ると皆、まだ起きていた。まあ、バスの終バスの時間が早いんで起きていて当然の時間であったが。
家に着くとのっけからイモトが絡んで来た。
「二人で飲んで来たってホント???誘ってよ、私らも!!」
「スマン、スマン」
ヒロさんが苦笑いを浮かべて言う。
「二人でどんな美味しいモノを内緒で食べたの??」
マリコも少し膨れて聞いて来た。
「いやいや、普通の、普通の食い物だよ」
俺も笑って答えた。
「それは…私のカレーより…どうなんですかね?」
係長のメガネが光っている。ちょっと怒ってんじゃん係長


320:名無しさん:2014/03/26(水)21:14:08 ID:XvqHGDCht

係長www



321:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:14:58 ID:OdLl12yZo

「ずるーい!!ちょっと、私らも行きたいよ!!」
「分かった、分かった!もうすぐボーナスだから皆、連れて行ってやるよ」
イモトの叫びに仕方なしにヒロさんがそう言った。
「やったー!じゃあ、私焼肉、焼肉!」
イモトが手を上げてそう叫ぶ。肉食女め。
「あ、じゃあ私、中華食べたーい♪」
「私は、あれですね…さ、刺身を…出来れば刺身を…」
皆、好き勝手だ。
「分かった。じゃあ、あれだ…焼肉で中華で…刺身…無理!!統一しろ!!」
「えー!!!」

いつもの様に騒がしい夜だった


322:名無しさん:2014/03/26(水)21:14:58 ID:lvZYfKuOo

紫煙


323:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:16:21 ID:OdLl12yZo

俺は笑いながら皆を見る。
そして、マリコを見つめた…

男…じゃないよな?マリコ。
いや、俺はお前が男でも気持ちは変わらないぜ!
フフフ…俺って男前だな…

そんな馬鹿な思いを感じながら笑っていた俺…
まだ、気がつく事ができなかったんだな…


ヒロさんの予言通りになってしまう自分の運命を…


324:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:18:46 ID:OdLl12yZo

書き溜めは以上なんすよ
すみません、遅筆でオマケに長々書いててw

結末が気になる人、もうちょい待ってください
色々書いてたらあれもこれもって思い出して…
だから中々上手くまとめれないんですよ


328:ナオト◆LthZ5KNBTs:2014/03/26(水)21:21:37 ID:OdLl12yZo

ちょっと現在は仕事をしている身で、おまけに朝が早い仕事で殆ど携帯すら触れない仕事柄でしてね
いや、頑張って書き上げますから、もう少しお付き合いください
では、俺は今から冷凍した、みかんの缶詰を食べて寝ようと思います

それでは、おやすみなさい


333:名無しさん:2014/03/26(水)21:31:55 ID:4EXb4FL0B

とても楽しみにしてます!

頑張ってくださいっ^ ^




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